12月3日(金)19時より佐賀市市民活動プラザ人材育成研修(整える力)「環境変化にどう立ち向かっていくか~非営利組織の経営戦略づくり~」を開催しました。
新型コロナウイルス感染症の存在が日常となり始め、まさに「ウィズ・コロナ」といういうべき環境が当たり前となってきています。
いつまでも事業や活動を縮小させておくわけにはいかないと動き始めている市民活動団体がある一方、コロナ前、ともするとコロナ禍のさなかとも異なる様相に戸惑い、悩み、壁に突き当たっている団体も少なくありません。
また、全世界を等しく巻き込み、たった2年足らずで進行した急激な環境変化に、長期的視野で見ていた事業や活動の見直しや承継を迫られている団体もあります。
この現況について「長い時間をかけて積み上げてきた団体運営のノウハウが一気に崩壊した」と捉えた場合、営利を目的としない組織にこそ今は「戦略」が必要と考え、今回は、これまでのプラザの人材育成研修とは一味違った攻めの姿勢の強い内容となりました。
非営利組織の「経営戦略」について、この方の右に出る方はいないと講師にお迎えしたのは、特定非営利活動法人鳳雛塾 ファウンダーの横尾敏史さん。
プラザの運営についても外部評価委員として、とても整理のしやすい的確なご指摘とアドバイスをいただいており、今回の研修でも理路整然と経営と戦略についてお話しいただきました。
特筆すべきは、横尾さん特製のワークシートです。
研修におけるワークは参加者の熱量によって成果が左右されがちですが、横尾さんのワークシートは、市民活動に携わっていればかける熱量関係なく誰でも取り組めるところから始まって、段階を踏んで意見や考えを引き出していく内容となっており、そのワークにより、途中5分程度の休憩を挟んだだけの二時間きっちりの研修だったにもかかわらず、中だるみの空気なく完走することができたといっても過言ではないと思っています。
運営スタッフとして研修、特に話し尽きないグループワークの様子を見ていて感じたのは「理念を第三者に向けて言語化することの大切さ」でした。
内部では既に共有されている部分をあえて言葉にすることはそうそうありません。しかし、前情報のない第三者と接する時は、自身のなかで「当たり前」になっている部分を、相手にわかるように言語化する必要があります。
相手の理解を呼ぶ言語化は、共感者を増やすにあたって重要な部分です。また、今回のポイントでもある外部環境との乖離がないかを確認するにも必要です。
参加者の皆さんはグループワークを通じてそれを学ばれたのではないかと思っています。
一方、少々残念に感じたのは、講師の横尾さん自身のお話をうかがう時間がほとんどなかったことです。
配布資料中の「NPO鳳雛塾の事例紹介」を拝見し、横尾さん自身からうかがいたかったと心の底から思いました。
また改めて時間を設けて横尾さんをお招きし、非営利組織の経営戦略づくりの一助となる研修を開催することを考えています。