佐賀県CSO推進機構が次の一歩をお手伝い。
佐賀県CSO推進機構が次の一歩をお手伝い。

佐賀県ボランティア連絡協議会「令和6年度ボランティアステップアップ研修会」に登壇しました

2025年2月6日(木)、佐賀県ボランティア連絡協議会主催「令和6年度 地域はつらつ!ボランティアステップアップ研修会」にて、当法人CSO経営支援事業部の事業コーディネーターである岡野恵美が、「わたしたちが地域のためにできること」をテーマに講演およびワークショップのファシリテーションを、当法人副代表理事の秋山翔太郎がコメンテーターを担当いたしました。

本研修会では、小城保健福祉センター「桜楽館」多目的ホール(小城市小城町)を会場に県内各地域で活動されるボランティアの皆様が参加。市民活動、地域活動の基本概念や目的の明確化、地域ニーズの把握について学び、さらには後継者育成に関する具体的な方策について意見交換を行い、今後の地域活動の発展に向けた取組みのヒントを共有しました。

開会の挨拶と研修会の趣旨説明

研修会は、佐賀県社会福祉協議会で司会の田中氏が開会宣言を行い、佐賀県ボランティア連絡協議会の小林会長が挨拶されました。小林会長は、本研修会が平成30年度から継続して実施されている意義や、地域活動の多様性、そして地域課題解決の必要性について改めて強調され、参加者の皆様に研修の目的と研修への期待を述べられました。

講演:わたしたちが地域のためにできること

講演では、岡野恵美が市民活動の基本概念と実践方法について詳しく説明しました。講演の主な内容は、以下のとおりです。

市民活動の基本概念とその意義

市民活動は、非営利性、自主性、公益性の3つの柱に基づいており、営利を目的とせず地域住民が自主的に行う公益的な活動であることを説明しました。スライドを用いて、個人のボランティア活動からNPOなどの組織活動まで、その幅広い形態と基本要素を示しました。

市民活動相談支援員による「地域に係る2つの例示」

講演では、実際の現場で活用される2つの事例を紹介しました。

  1. 某自治体担当課の見解と識者の意見
    某自治体では、自治会や婦人会、PTAなど、県が提唱するCSOの考え方に沿った幅広い団体を市民活動団体として取り扱っています。一方、一部の識者は、地域に根ざす地縁団体と市民活動団体の本質的な違いを指摘し、混同することへの疑問を呈している点を説明しました。
  2. 某NPO事務局長の事例
    県内で全国的にも知られるNPOの事務局長の実例を通して、地域特有の慣習が絡むこともある地域活動と市民活動の違いを具体的なエピソードを交えて解説しました。
「わたしたちがしたいこと」とは何か

各団体や個人が活動を進める上で、まず自らの目的を明確にすることが重要であると強調しました。定款や規約に記載される活動目的の例として、当法人の定款における「自立した県民が支え合う社会の実現」を挙げ、具体的な支援手法やパートナーシップ構築の方法についても説明しました。目的と達成に必要なスキル(=できること)との整合性を再確認する重要性についても言及しました。

「わたしたちがしたいこと」と「地域ニーズ」との整合性

地域ごとに異なるニーズを正確に把握し、それに基づいた活動計画を策定する必要性を説明しました。スライドでは、地域の範囲が狭まるほど住民の要望が特定の課題に偏る傾向や、住民自身が地域ニーズの真の原因を十分に把握していない場合があることを示し、客観的な視点でニーズを見直す必要性を指摘しました。

Q&Aセッション

講義後の質疑応答の時間には、参加者の方から、地域に密着しすぎることによる「見えすぎ」の弊害についてのご質問をいただきました。これに対し、岡野は、地域の課題が明瞭になりすぎる場合には中間支援組織や社会福祉協議会と協働して行政と連携し、問題の整理やサポート体制を整える方法について説明しました。

グループワークとディスカッション

わたしたちができることと地域の需要の接点を確認しよう

講演後、参加者の皆様にはまず個人ワークとして、自らの活動目的や支援対象、具体的な活動を整理していただきました。その後、約4名程度のグループにて意見交換を行い、グループ内で地域課題の抽出や改善案の検討を進めました。

全体共有の場では、各テーマの付箋を先方のホワイトボードに貼っていただき、後継者育成、多世代交流の促進、地域資源の活用、行政との効果的な連携など、実践的な解決策を提示し、参加者同士で活発な議論を交わしました。

研修会の成果と今後の展望

今回の研修会では、講演およびグループワークを通じて、地域活動における具体的な課題解決方法や後継者育成、多世代交流の促進、行政との効果的な連携方法について意見交換が活発に行われました。この意見交換により、各地域での活動の現状や今後の方向性について具体的なアプローチを明確にすることができ、参加者の皆様からは「地域活動と市民活動の違いが分かった」「自分たちの活動の目的と地域ニーズの整合性を再確認できた」といった前向きなご意見をいただきました。

佐賀県CSO推進機構では、今回の研修会で得た知見や参加者の皆様との意見交換を踏まえ、今後も地域活動の支援・促進に努め、より充実した地域社会の実現に向けた取り組みを継続してまいります。


講師プロフィール

岡野 恵美
(おかの めぐみ)

  • 特定非営利活動法人 佐賀県CSO推進機構 CSO経営支援事業部/事業コーディネーター
  • 佐賀市市民活動プラザ事業部/相談支援員

元文筆家。2016年、諸般の事情により市民活動の世界に一歩踏み出す。普段の主な業務は市民活動団体からの資金調達を始めとした相談対応。今現在の座右の銘は「自分の“当たり前”を全力で疑え」。


以上の内容で、令和6年度の研修会における岡野恵美の登壇と、その成果についてご報告いたします。今後とも、地域活動の発展に向けた皆様のご支援とご協力をお願い申し上げます。

お問い合わせ先
特定非営利活動法人佐賀県CSO推進機構 CSO経営支援事業部
CSO経営支援事業部
About the author

佐賀県内のCSOを主な対象とし、経営力向上を図るため情報の受発信の支援やスキルアップ講座を開催しています。また、オンライン配信やデジタル技術活用などこれまで培ったスキルを活かし、オンラインを活用した情報保障支援(オンラインCSO支援事業)を行っています。

関連記事