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【開催報告】佐賀ブランド海苔「一流浜」に込めた情熱と戦略|有限会社玉喜 寺田和弘社長

2026年1月25日(日)に開催した「2026CSO新春交流会」において、当法人のふるさと納税返礼品でお世話になっている有限会社玉喜(佐賀市)代表取締役社長 寺田和弘氏に話題提供を行っていただきました。

一流浜(ICHIRYUHAMA)」ブランドはいかにして生まれたのか。その圧倒的な品質へのこだわりと、地域社会・環境への責任(CSR)について語られた講演の内容をレポートします。

危機感から生まれたブランド「一流浜」

寺田社長は2011年に家業である有限会社玉喜に入社。当初は製造ラインでの作業に従事し、モノづくりの現場を経験されました。

転機となったのは2020年のコロナ禍です。コンビニエンスストアのおにぎり消費や生協の需要が激減し、海苔業界全体が危機に瀕しました。「このままでは生産者が辞めてしまい、佐賀海苔の歴史が途絶えてしまう」という強い危機感から、佐賀県有明海漁業協同組合「大詫間(おおだくま)支所」と共同で立ち上げたのが「一流浜(ICHIRYUHAMA)」です。

大詫間は、筑後川と早津江川に挟まれた三角州に位置し、山からの豊富な栄養分が流れ込む、海苔養殖にとって理想的な漁場です。この恵まれた環境で育った海苔を、生産者の顔が見える形で届けたいという想いが、ブランドの原点でした。

常識破りの鮮度管理「マイナス25度」と「3日以内」

講演の中で会場が最も驚いたのは、その鮮度管理への執念とも言えるこだわりです。

  1. マイナス25度での冷凍保管:通常、海苔の原料は常温で保管されることが多いですが、一流浜では鮮度を維持するため、仕入れた直後にマイナス25度の冷凍庫で保管します。
  2. 解凍から3日以内に焼き上げる:必要な分だけを解凍し、3日以内に焼き上げ、即座に袋詰めを行います。焼きたての香りと口どけを逃さないための工程です。
  3. 「解凍日」と「焼成日」の明記:商品の裏面には、賞味期限だけでなく「いつ解凍し、いつ焼いたか」の日付まで印字されています。これは国内でも類を見ない取り組みであり、品質への自信の表れです。

会場で海苔を口にした参加者からは、「色が黒く艶やか」「味が濃い」といった感嘆の声が上がりました。

佐賀から世界へ。そして「もったいない」を価値に

販売戦略においても、大量販売ではなく「価値」を伝える手法をとっています。

銀座の高級焼肉店や、佐賀駅構内の「SAGA Bar」、JR九州の観光列車「ふたつ星」など、こだわりの食を提供する場に選ばれています。また、Instagramを通じて海外のシェフとも直接つながり、イタリア、ドイツ、香港、アメリカなどへも販路を拡大。現地のタコス店ではトルティーヤの代わりに海苔を使うなど、新しい食文化の提案も行っています。

また、SDGsの観点から「無選別品」の販売も強化しています。一番摘みの海苔は柔らかく、製造過程でどうしても割れや欠けが生じます。味は正規品と変わらないこれらの海苔を「無選別」として提供することで、食品ロス削減にも貢献しています。

企業の社会的責任(CSR)と未来への約束

講演の締めくくりに寺田社長が強調したのは、企業としての「使命」です。

有限会社玉喜では、SBT認証(温室効果ガス削減目標)を取得し、太陽光パネルの設置や再生可能エネルギーの導入など、環境負荷の低減に積極的に取り組んでいます。

「海苔は、冬の極寒の海で、生産者の方々が命がけで作ってくれています。その海苔を最高の状態で届けること、そして有明海の豊かな自然を未来に残すことが、私たちの使命です」

4代目社長としての覚悟と、地域・環境と共生する企業のあり方を示した寺田社長の言葉は、私たちCSO(市民社会組織)の活動にも通じる「持続可能性」への強いメッセージとなりました。

当日の講演を動画で公開

この度、寺田社長のご厚意により、当日の様子をアーカイブ動画として公開いたしました。

「一流浜」に懸ける想いや、未来を見据えた経営戦略など、文章だけでは伝えきれない寺田社長の熱量や会場の空気感を、ぜひ映像でもご覧ください。

ご視聴に関するお詫び

動画の冒頭部分におきまして、当日発生した会場設備の無線マイク混線の影響により、ノイズや音声が聞き取りづらい箇所がございます。ご視聴の皆様にはご不便をおかけしますことを、深くお詫び申し上げます。

▼話題提供アーカイブ動画(YouTube)
講師
寺田 和弘 氏(てらだ かずひろ)
  • 有限会社玉喜/代表取締役社長

1985年2月生まれ。大学卒業後、2007年にIT企業へ入社。中小企業を対象にネット通販部門の立ち上げ・強化の営業を担当し、西日本全域の中小企業へ訪問。

2011年、家業の有限会社玉喜に入社。ライン作業の経験からモノづくりの楽しさと管理の難しさを体験し、2013年に責任者としてISO9001を認証取得。2020年、食品衛生管理を強化するため工場増設およびHACCPを認証取得。

2022年、こだわりの佐賀海苔を販売するため、「一流浜(いちりゅうはま)」を佐賀有明海漁協協同組合“大詫間支所”と共同で開発。ブランド価値を高めるためのSNS戦略や海外展開などを実施している。2024年、代表取締役社長に就任。


結びに

今回の講演を通じ、寺田社長から語られたのは、単なる商品開発の話にとどまらない「地域への誇り」と「次世代への責任」でした。

「未来の世代に最高の海苔と海を残す」という有限会社玉喜の理念は、私たち佐賀県CSO推進機構が掲げる「自立した県民が支え合う社会」というビジョンとも深く共鳴するものです。

地域の宝を磨き上げ、その価値を正しく伝え、未来へとつないでいく。そのプロセスに、企業もCSOも、そして行政も境界はありません。今回の交流会は、改めてその想いを共有し、共に歩む決意を新たにする貴重な機会となりました。

佐賀県CSO推進機構の「ふるさと納税」による活動支援

当法人では、今回ご紹介した「一流浜(ICHIRYUHAMA)」をはじめ、佐賀の伝統や技術が息づく逸品をプロデュースし、ふるさと納税の返礼品として全国へお届けしています。

皆様からお預かりした寄附金は、佐賀の市民活動(CSO)を支える中間支援活動や、地域課題解決のための事業に大切に活用させていただきます。

当法人が取り扱う主な返礼品ラインナップ
地場産品ブランディング支援事業部
About the author

佐賀県内で生まれる農産物や伝統工芸品の「よいもの」を「もっと広く、もっと魅力的に」伝えるための支援事業です。この取り組みを通じて、佐賀県内外の方々に愛される地場産品を増やし、地域に誇りを持てる環境づくりを目指しています。

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