2026年1月30日(金)、長崎県庁にて開催された「九州NPO支援ネットワークミーティング」に、当法人代表理事の秋山翔太郎とCSO経営支援事業部の岡野恵美が参加いたしました。
本ミーティングは、九州各県の市民活動・NPO支援センター職員および行政職員が一堂に会し、相互理解と連携促進を図る場です。当日は満員御礼となる約30名の支援者が集まり、秋山が事例報告を行いました。
なお、同日夜に佐賀市市民活動プラザで開催されるプロボノ実践セミナーに登壇するため、秋山と岡野は分科会途中までの参加となりましたが、非常に密度の濃い時間を共有することができました。
支援の最前線を長崎で共有
会場には、日々地域課題と向き合う九州各地の中間支援組織や行政の担当者が集結しました。

開会にあたり、長崎市市民生活部の宮本理事より「複雑化する社会課題に対し、中間支援組織や行政の役割は一層重要になっている」とのご挨拶をいただき、事例報告がスタートしました。
長崎市市民活動センター「ランタナ」やながさき県民ボランティア活動支援センター、久留米市市民活動サポートセンター「みんくる」、NPO法人協働のまち大野城など、各地の多様な運営形態や課題(利用者の固定化、デジタルとアナログのバランスなど)が共有され、九州の支援ネットワークの結束を感じる一日となりました。


「翻訳者」としての使命を提言
事例報告のセッションでは、秋山より「『拠点』と『機能』のハイブリッド支援戦略 ~DX・プロボノと翻訳者としての使命~」と題して発表を行いました。


「現場」と「広域」を使い分ける循環モデル
当法人の特徴は、指定管理者として運営する「佐賀市市民活動プラザ(現場/拠点)」と、県域の中間支援組織である「佐賀県CSO推進機構(専門機能/広域)」の2つの顔を併せ持っている点です。この2つを戦略的に使い分ける「ハイブリッド戦略」について解説しました。


拠点(プラザ)の役割:「深さ」と「安心感」
市民とのタッチポイントとして、年間約210件の窓口相談に対応。膝を突き合わせたアナログな対話を通じて、顕在化していない潜在的な課題やニーズを感知します。
機能(推進機構):機能(推進機構)の役割
CSOマネジメントアカデミーやプロボノ(さがボノ)など、高度な専門機能を提供。プラザで感知した課題に対し、県域のリソースを用いて解決策を提示します。
データが示す「資金はあるが人がいない」現実

戦略の根拠として、佐賀県のCSO(市民社会組織)の現状データを提示しました。
佐賀県はふるさと納税の活用が進んでおり、1団体あたりの予算規模は全国平均を上回る一方、「会員の高齢化」や「後継者不在」といった「人材難」が最大の課題(アンケート回答の約5割)となっています。
DXとプロボノによる課題解決
この「資金はあるが内部の人材では回らない」という課題に対し、以下の2つのアプローチを推進していることを報告しました。
業務のDX化
人がいなくても回る仕組みづくり。相談対応の知見を体系化した『立ち上げハンドブック』の作成や、メルマガ(約800件/週)・SNSによるプッシュ型情報発信、ハイブリッド配信支援など、デジタルツールを活用して支援の効率化と広域化を図っています。


プロボノ(外部人材)の活用
内部採用が困難な専門スキル(広報、事業計画、Web制作など)を、「プロジェクト単位」で外部のプロボノ人材に依頼する仕組み「さがボノ」を展開。関係人口の創出とともに、団体の組織基盤強化を実現しています。
この「人材循環」の理論を現場で実践する取り組みとして、佐賀市市民活動プラザでは連続セミナーを開催しています。関係人口の創出から具体的なプロジェクト化まで、段階的に学びと実践を深める機会を提供しています。
セクター間をつなぐ「翻訳機能」
最後に強調したのは、中間支援組織が果たすべき「翻訳者(トランスレーター)」としての役割です。
- 行政:公平性、ルールの遵守
- 企業:経済合理性
- CSO:社会課題への熱い想い、現場の複雑性
それぞれのセクターには異なる言語や論理の壁があります。支援者は単に間に入るだけでなく、それぞれの背景やロジックを理解し、相互の利益(Win-Win)になるように設計・翻訳することで、自立と共助の生態系を創出していく必要があると訴えました。




▼当日使用したスライド資料はこちら
分科会で語る「これからの役割」
事例報告の後は、参加者が関心のあるテーマに分かれて議論する分科会が行われました。秋山と岡野は第3分科会「市民活動分野の中間支援・行政のこれからの役割について思うことを語ろう!」に参加しました。
「手をつなぐ」前のお節介
この分科会では、「中間支援」という専門用語が一般市民には伝わりにくいという本質的な課題や、行政と現場の間で板挟みになる支援員の葛藤など、普段はなかなか口にできない「本音」の対話がなされました。
議論の中では、「支援とは単に間に入ることではなく、お互いが手をつなげるように『握りこぶしを開かせる』ような工夫や翻訳が必要ではないか」といった深い洞察も生まれました。各地域のセンターが抱える共通の悩みに対し、共感と連帯が深まる時間となりました。


議論を佐賀の実践へつなぐ
白熱した議論の最中ではありましたが、秋山と岡野は15時20分頃に会場を離脱いたしました。
その理由は、同日夜に佐賀市市民活動プラザが開催する「団体の組織課題と外部人材をつなげるプロボノ~想いをプロジェクトへ。今から始める仲間集め~」(プロボノ実践セミナー第2弾)の運営のためです。
実は、このセミナーの講師である認定NPO法人サービスグラント九州特任の横道亨氏(佐賀県唐津市厳木在住)も、本ミーティングに参加されていました。
長崎で九州の支援者たちと「理論とネットワーク」を深め、その足で佐賀に戻り「実践とアクション」を行う。まさに、今回の発表テーマである「広域ネットワークと現場実践のハイブリッド」を体現する一日となりました。

【番外編】沖縄・南城市からの来訪
本ミーティングの前日となる1月29日(木)には、沖縄県南城市「なんじょう市民活動支援センター(なんサポ)」の秋本センター長が佐賀市市民活動プラザへご来訪されました。
九州・沖縄エリアでの広域連携を見据え、佐賀の現場視察と意見交換を行いました。このご縁が、翌日の長崎でのミーティングへとつながっています。


結びに
今回のミーティングを通じ、九州各地で奮闘する支援者の熱い想いに触れ、改めて「つながる」ことの重要性を実感しました。
それぞれの地域が抱える課題は多様ですが、根底にある「市民活動を支えたい」という志は共通しています。
当法人はこれからも、現場(プラザ)で聴いた声を、専門機能(推進機構)で形にし、社会の「翻訳者」として佐賀県のCSO支援を前進させてまいります。
最後に、主催の長崎市市民活動センター「ランタナ」の皆様、そして温かく迎えてくださった長崎の皆様に心より感謝申し上げます。
お問い合わせ先
佐賀県CSO推進機構 佐賀市市民活動プラザ事業部・CSO経営支援事業部
〒840-0826 佐賀市白山二丁目1-12 佐賀商工ビル7階
佐賀市市民活動プラザ事業部
- TEL:0952-40-2002
- FAX:0952-40-2011
- E-mail:plaza@tsunasaga.jp
- Facebook:https://fb.com/tsunasaga.plaza/
- Instagram:https://www.instagram.com/tsunasaga.plaza/
CSO経営支援事業部
- TEL:080-4282-8061(事業部用携帯)
- FAX:0952-40-2011
- E-mail:cso.sprt@min-nano.org
- Facebook:https://fb.com/sagacso/
- Instagram:https://instagram.com/sagacso/







