佐賀県CSO推進機構が次の一歩をお手伝い。
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【開催報告】令和7年度CSOマネジメントアカデミー最終報告会・卒業証書授与式を開催しました

去る2026年1月23日(金)、SAGA CHIKA(佐賀県庁新館地下1階)にて「令和7年度CSOマネジメントアカデミー 最終報告会・卒業証書授与式」を開催いたしました。

本アカデミーは、佐賀県内のCSO(市民社会組織)が抱える組織運営の課題(人材、資金、組織基盤など)に対し、その場しのぎの対応ではなく、根本的な原因を深掘りし、体質改善を図ることを目的とした約7ヶ月間の長期プログラムです。

昨年6月のキックオフから始まり、10月の中間報告会を経て、各団体がそれぞれの現場で実践してきた「改善計画」の経過や成果を発表する場となりました。

7ヶ月間の実践と成果

本アカデミーのアカデミー長を務める、IIHOE [人と組織と地球のための国際研究所] 代表者の川北秀人氏の指導のもと、参加団体は「社会に求められることのために動き続けるチームをつくる」というテーマに向き合ってきました。

最終報告会には、県内各地から7団体が出席(会場・オンライン)。 開会にあたり、主催者である佐賀県県民協働課の古沢浩史課長より、「自ら課題を深掘りし、できることから実践を重ねてこられた皆様の取り組みが、他の団体の助けにもなることを期待しています」とご挨拶をいただきました。

4分間に込めた熱意と決意

報告会では、各団体が持ち時間「4分間」という限られた時間の中で、以下の4項目についてプレゼンテーションを行いました。

  1. 元々の課題 (なぜ参加したのか)
  2. 実践したこと (組織図や育成リストの作成など)
  3. 追加・修正したこと (実践の中で見えた新たな動き)
  4. ヒントが欲しいこと (今後の課題)

7団体による最終報告

各団体の発表では、単なる活動報告にとどまらず、組織の「存続」や「あり方」を見つめ直した具体的な成果が共有されました。

組織運営の根本的改善へ

公益財団法人 ボーイスカウト佐賀第3団 ビーバースカウト隊・カブスカウト隊

近年の少子高齢化に「運営の型」が対応できておらず、人材確保や資金調達に関する組織力が弱いという課題に対し、情報共有のためのアカウント設定による一元管理や、保護者(デンリーダー)への働きかけや、ファンドレイジングを強化。

さらに、佐賀市内の3つの団のそれぞれの強みを生かすため、これらの団の統合を提案し、合意形成に向けて動き出すという、組織の存続に向けた大きな構想を発表しました。

特定非営利活動法人 ソシオの杜

創設者である代表者個人に依存した体制から「組織として価値を創り出すチーム」への転換を掲げ、新たな組織体制案を作成。セラピストのスキル・レベルを「初級・中級・上級」に可視化し、役割を明確にする「半人前・一人前リスト」を整備しました。

また、新たな事業として「珠ちゃんサロン」でのレスパイトケアや、看護小規模多機能型居宅介護事業所との連携など、医療・福祉分野での信頼性を高めるための具体的な展開が報告されました。

特定非営利活動法人 佐賀県放課後児童クラブ連絡会

長年の課題であった「委託事業への依存」と「雇用の不安定さ」からの脱却を目指し、定款変更・コンプライアンス規定の整備に着手。退職金制度(福祉はぐくみ企業年金等)の導入検討に加え、休眠預金を活用した災害中間支援組織としての機能強化にも挑戦しています。

学童保育の枠を超えた「子育て・女性支援」へと事業領域を広げ、次世代が安心して働ける組織基盤づくりに挑んでいる現状を報告しました。

特定非営利活動法人 かいろう基山

代表によるトップダウン型から全員参加型への移行を目指し、月1回の「チーム会議」を定着化。また、企業の経営者がプロボノとして関わり、組織のロードマップ作りや資金調達のアドバイスを受けていることが報告されました。

将来的に町民が支える「ナショナルトラスト」のような団体を目指すという10年後のビジョンが提示されました。

特定非営利活動法人 唐津環境防災推進機構KANNE (オンライン登壇)

理事長への業務集中を解消するため、理事会を「報告の場」から「一緒に考える場」へと変革し、開催頻度を増やしたことを報告。

有償ボランティア制度の設計では、一律の金銭支給ではなく、活動後の振り返り(パンを食べながらの交流)を重視する層と、専門業務に対し日当を支払う層を分けるなど、活動内容に応じたきめ細やかな実践について共有されました。

特定非営利活動法人 つなぎレンガ座

歴史的建造物の活用、音楽、環境、災害支援という多様な活動を行いながら組織としての求心力を高めるため、「一緒にやろうよ」という声かけによる空気づくり(個々の活動意義の再確認)を実践。

さらに、活動エリアを広げるための構想や、耕作放棄地を活用したブルーベリー栽培などの新たな連携事業など、組織の持続可能性を高めるための戦略的な動きが共有されました。

小城ファシリテーション研究会

来年の設立10周年を前に、活動の原点に立ち返る3つのテーマ(スキルアップ・情報発信・言語化)を設定。「ファシリテーション=生きやすくすること」と再定義し、単なる会議進行役にとどまらず、地域の困りごとに寄り添う存在への進化を掲げました。

外部講師を招いた研修や、オンライン会議サポート事業の展開など、メンバー自身の力を高めながら地域貢献するロードマップが発表されました。

講師・来賓からの講評

発表後には、参加者同士で付箋を用いて質問や応援メッセージを送り合う時間を設け、相互の学びを深めました。

佐賀未来創造基金・山田氏の全体講評

来賓として登壇した公益財団法人佐賀未来創造基金の山田健一郎代表理事は、多くの参加団体と10年以上の付き合いがあることに触れながら、同志としての厳しくも温かいメッセージを送りました。

「社会に求められているか」を問い続ける

「私たちCSOは、自分たちが『やりたいこと』をやっているのか、それとも『社会に必要なこと』をやっているのか。この問いを常に突きつけられています。10年、20年と活動を続けている私たち自身が、本当に社会の変化に合わせて変われているのか、ドキッとさせられました」と、自身の財団運営とも重ね合わせながら振り返りました。

支援する側の覚悟

アカデミー長からの厳しい指導を乗り越えた参加者に対し、「皆さんがこれだけ変化しようとしている中で、私たち支援する側(財団)も、その変化に見合うだけの支援ができているかが問われています」と発言。「多様な財源の確保や、スピード感のある助成など、私たちも『死ぬ気で』仕組みづくりに取り組まなければならないと改めて覚悟しました」と決意を語りました。

今日が新しいスタートライン

最後に、「発表を終えた今日がゴールではなく、ここがまた新しいスタートラインです。できていること、できていないことがありますが、佐賀には悩みを共有できる『顔の見える関係』があります。皆さんの変化に寄り添い、支援の質と量を高めていきたい」と締めくくり、会場からは共感の拍手が送られました。

川北アカデミー長の総括

川北アカデミー長からは、7ヶ月間の伴走を通じて見えた各団体の変化を称えるとともに、個別フィードバックの中で、組織運営における普遍的な「5つの実践知」が共有されました。 

マーケティングとは「相手の困りごと」を知ること

「行政や企業に『助けてください』とお願いに行くのはマーケティングではありません。相手が何に困っているのか、公開資料にない本音の課題まで『問診』し、『それなら私たちが解決できます』と処方箋を出すこと。これが対等なパートナーシップの第一歩です」と、徹底した相手視点の重要性を説きました。

人を動かす「利・情・義・理(り・じょう・ぎ・り)」と「好き・嫌い」

物事を進めるには、利(損得)だけでは不十分な場合があると指摘。「時には『情(恩)』や『義(先輩後輩のつながり)』といった、人間臭い力学も無視できません。相手が誰の言葉なら耳を傾けるのか、そのルートを見極める『政治力』も、組織を動かす上では重要なスキルです」と、アドバイスしました。

後継者は「一人」にせず「チーム」で育てる

「後継者を一人に絞ると、その人は将来必ず孤立します。3人同時に育てて、2人残れば良いという感覚で、最初から『チームで合議し、決定する』習慣をつけさせてください」と、組織の持続可能性を高めるためのリスク管理について言及しました。

広報は「Powered by」で黒子に徹する

「自分たちの団体を主語にして『こんな活動をしました』と発信しても、ニュースとしての鮮度は一回限りです。しかし、『〇〇病院が私たちの支援を受けて離職率を下げた』というように、パートナーを主語にすれば、それは社会的なニュースになり続けます。『Powered by(~に支えられた)』の視点を持つことが、長くメディアに取り上げられるコツです」と語りました。

綺麗なビジョンより「期限付きプロジェクト」

「立派なビジョンやミッションを作っても、他と同じような言葉ではアクセルが踏み込めないことがあります。それならば『この3年間でこの地域のこの課題を解決する』という『プロジェクト』として打ち出した方が、メンバーの心が軽くなり、具体的な推進力が生まれます」と、実効性のある目標設定を促しました。

卒業証書授与式

プログラムの最後には、全課程を修了した各団体へ、川北アカデミー長より卒業証書が授与されました。 証書には、課題の根本解決に真摯に取り組み、地域社会の課題解決を前進させた功績を称える言葉が記されており、会場は温かい拍手に包まれました。

発表団体

事務局長より閉会の挨拶

最後に、本アカデミーの事務局長を務める佐賀県CSO推進機構代表理事の秋山翔太郎より、閉会の挨拶が行われました。

秋山は、「1日で終わるセミナーとは異なり、長期にわたる取り組みで大変な部分もあったと思う」と参加者を労いました。また、今回は事務局としても各団体の会議に陪席するなどの「介入」を行い、意思決定のプロセスを共有できたことに触れ、「代表の方が背負っている思いを会議の場で垣間見ることができた」と振り返りました。

そして、「『良薬口に苦し』と言うように、この経験が薬となり、今後の活動の糧になることを願っている」と締めくくりました。

結びに

約7ヶ月間にわたり、日々の活動と並行して組織運営の改善に取り組まれた受講団体の皆様、本当にお疲れ様でした。 「組織を変える」という答えのない問いに挑み続けた皆様の姿勢は、佐賀のCSOセクター全体の財産です。

佐賀県CSO推進機構では、アカデミー終了後も、皆様が策定された計画の実行や、新たな課題への挑戦に対し、引き続き伴走支援を行ってまいります。

事業主体

主催
佐賀県
お問い合わせ先
CSOマネジメントアカデミー事務局

特定非営利活動法人佐賀県CSO推進機構

組織の成長は、一歩ずつの改善の積み重ねです。地域の未来を創るCSOの挑戦を、ぜひその目でお確かめください。


▼これまでのCSOマネジメントアカデミーの歩み

CSO経営支援事業部
About the author

佐賀県内のCSOを主な対象とし、経営力向上を図るため情報の受発信の支援やスキルアップ講座を開催しています。また、オンライン配信やデジタル技術活用などこれまで培ったスキルを活かし、オンラインを活用した情報保障支援(オンラインCSO支援事業)を行っています。

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