2025年7月4日(金)、認定特定非営利活動法人ホームスタート・ジャパン主催の訪問型子育て支援セミナー「乳幼児期の親子に寄りそう訪問支援の官民協働事例報告会」が佐賀県社会福祉会館「Fukku」2階 中会議室およびオンラインZoomにて開催され、当法人はオンライン配信の技術サポートを担当しました。
本セミナーは、子育て家庭に安心と笑顔を届ける「寄り添い型」の支援について、その実践と効果を共有する貴重な機会となりました。


開催概要
- 日時:令和7(2025)年7月5日(金)10:00~12:00
- 会場:佐賀県社会福祉会館「Fukku」2階 中会議室
- Zoomミーティングによるハイブリッド開催
- 主催:認定特定非営利活動法人ホームスタート・ジャパン
- 後援:佐賀県、佐賀市、(社福)佐賀県社会福祉協議会、(特非)佐賀県CSO推進機構


プログラム
乳幼児期は、親子の愛着形成など、子どもの心身の発達に大きな影響を与える重要な時期であり、今回のセミナーでは、子育て家庭に安心と笑顔を届ける「寄り添い型の訪問子育て支援」の実践事例を通じて、育児に伴走する訪問支援のあり方とその効果が紹介されました。
- 【基調講演】「子育て家庭に安心と笑顔を届けるために」
- 田口 香津子 氏
- 佐賀県立男女共同参画センター・生涯学習センター「アバンセ」館長
- 佐賀市こども・子育て支援専門アドバイザー
- 田口 香津子 氏
- 【活動報告】「乳幼児期の親に寄りそう訪問支援が引きだすチカラ」
- ホームスタートの訪問手法の紹介、佐賀市での活動報告
~親子と訪問ボランティア双方の変化とよろこび~ - 野口 洋子 氏
- ホームスタート・さが オーガナイザー
- ホームスタートの訪問手法の紹介、佐賀市での活動報告
- 【パネルセッション】
ハイライト
基調講演:子育て家庭に安心と笑顔を届けるために

田口氏は、支援の現場において「関係を作る力」がいかに重要かを語りました。特に印象的だったのは、家庭での暴力に晒され問題行動を起こしていた4歳男児と臨時教員のエピソードです。子どもが抱える問題行動の背景に家庭での暴力がある事例を通じて、「共に居る」「聴く・共感する」「関心を寄せる」といった姿勢で寄り添うことの重要性を伝えました。親が「深い穴に落ちている状態」のとき、無理に「這い上がれ」と急かすのではなく、静かに「共に居る」ことの大切さを強調されました。
活動報告:乳幼児期の親に寄りそう訪問支援が引きだすチカラ
「ホームスタート・さが」オーガナイザーの野口 洋子氏からは、ホームスタートの訪問手法の紹介や、佐賀市での活動報告として、親子と訪問ボランティア双方の変化と喜びについて具体的な事例を交えて紹介されました。野口氏は、自身が福岡県からの移住者として佐賀市で子育てをする中で感じた孤独感を原点に、2004年に子育て中の親子の「ふれあい広場」、そして2014年からホームスタートの活動を始めたことを語られました。ホームスタートの「傾聴と協働」というボランティア活動を通じて、ホームビジターが親子の様々な状況に「寄り添う」ことで、親自身が成長し、家族の環境が変化していく様子が示されました。
印象的な事例
- 若年で急な妊娠・出産を経験し、家庭が荒れていた母親が、ホームスタートの支援を通じて次第に子どもに愛着を持ち、「家庭を持つ」という意識が芽生え、子どもの成長を最優先に考えるようになったこと。
- 家庭内暴力に苦しみ、子どもが学校で問題行動を起こしていた家族に対し、野口氏自身がビジターとなり、一緒に過ごす中で子どもが感情を委ねるようになり、母親も子どもの気持ちが理解できるよう変化し、最終的に新たな生活へと踏み出したこと。
- 外見からは問題がないように見えても不安感を抱えていた母親が、3度にわたるホームスタートの利用を通じて、最終的には「頼まなくても済むようになりました」と困難を乗り越える力をつけたこと。
これらの事例は、ホームスタートの支援が、たんに家事や育児を手伝うだけでなく、家庭の複雑な背景を理解し、「共にいる」ことで信頼を築き、家族が自らの力で変わる「きっかけ」となることを示していました。野口氏は、支援する側のビジターもまた、この活動を通じて「人生観が変わった」と語り、多様な価値観を認め合う経験が人間的な成長につながると述べました。


オンライン配信による全国からの参加
当法人は、オンラインCSO支援の一環として本セミナーのハイブリッド配信をサポートしました。これにより、遠方の方や様々な事情で会場に足を運べない方も含め、北は宮城・山形・福島から南は長崎・大分まで、全国各地から多くの方にご参加いただくことができました。行政、医療・保健、子育て支援団体、中間支援組織の関係者に加え、子育て当事者やボランティア、議員など、多様な立場の方々がオンラインで集い、学びを深めました。





今後の展望
佐賀県CSO推進機構は、これからもCSO(市民社会組織)の活動をICTで支える「オンラインCSO支援」を推進してまいります。多様なイベントや会議のハイブリッド開催をサポートすることを通じて、CSOの活動基盤を強化し、地域社会の活性化に貢献していきます。
お問い合わせ先
特定非営利活動法人佐賀県CSO推進機構
(CSO経営支援事業部 オンラインCSO支援)
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