2025年10月20日(月)、iスクエアビルにて開催された「SAGA DXリーダーズ2025カンファレンス」。佐賀県CSO推進機構が株式会社BottoK様からご依頼を受け、当法人代表理事の秋山とCSO経営支援事業部の岡野がオンライン配信を担当いたしました。
本カンファレンスは、佐賀県内の経営者が集い、事業の変革に挑む“等身大の実践と学び”を共有する貴重な機会です。
縁ある玉喜 寺田社長が登壇
奇遇にも、第1部の事業承継セッション「事業承継のリアルを知る!〜変化に立ち向かう経営者たちの挑戦と学び〜」では、日頃から当法人の地場産品ブランディング支援事業でお世話になっている、有限会社玉喜の代表取締役社長 寺田和弘氏が登壇されました。

2024年9月に4代目社長に就任された寺田社長。実は昨年10月31日、当法人が社長就任のお祝いに伺っておりました。その際の様子もぜひご覧ください。
セッションで語られた事業承継のリアル
セッションでは、承継までの道のりや、承継後に取り組んでいる組織改革について、リアルな言葉で語られました。
7年間の助走期間と「人事評価制度」導入の挑戦
寺田社長は、承継の約7年前から3代目であるお父様より「お前がやってみろ」と経営の采配を任され、2020年には4億5000万円をかけた工場リフォームを主導するなど、実質的な準備期間を経て社長に就任されました。
その寺田社長が事業承継を機に最も力を入れて取り組んでいるのが「人事評価制度」の導入です。背景には、佐賀県の最低賃金が1,000円を超える中で、「いかにして労働生産性を上げるか」という喫緊の課題がありました。
「1日に1,000個作っていたものを、どうやって1,005個にするか。単に『120%の力で頑張れ』では人は動きません。仕組みを変える必要があったのです」

しかし、その道のりは平坦ではありませんでした。制度導入を説明した当初、従業員からは「こんなことをする時間はない」「何の意味があるのか」と厳しい声が上がったと言います。
それでも寺田社長は諦めず、労務士と共に1年半かけて制度を設計。全従業員と年に複数回の面談を重ね、一人ひとりの目標設定と進捗確認を丁寧に行いました。さらに、半期に一度の発表会を設け、部署の垣根を越えて互いの取り組みを共有する場を創出。これらの地道な対話を通じて、少しずつ従業員の意識を変えていきました。
人事評価制度導入の成果は、具体的な事業の成長にもつながっています。昨年2024年12月、工場の入口に4畳ほどの小さな直売所をオープン。現在の月商をいくらに引き上げるという挑戦的な目標を掲げたところ、これまで事務所で物流や営業事務を担当していた女性スタッフたちが自ら動き出したのです。
「『どうすれば目標を達成できるか』を自分たちの課題として捉え、『新しい広告を出そう』『季節に合わせたイベントを企画しよう』と活発に議論する姿が見られるようになりました。その姿を見ていると、人事評価制度を導入して本当に良かったと感じます」と、寺田社長は従業員の成長と変化に手応えを感じている様子でした。
後継者へ贈る、事業承継で最も大切なこと
セッションの最後に、寺田社長はこれから事業承継を迎える後継者に向けて、2つの大切な心構えを語られました。
- 従業員に「夢」を見せること
「代表が代わることで、会社がどう変わり、どんな未来が待っているのか。そのワクワク感を従業員と共有することが大切です」 - 先代への「尊敬」を忘れないこと
「先代のやり方を古いと感じることもあるかもしれません。しかし、先代が築き上げてきた歴史や人脈があるからこそ、今の会社が存在します。その事実への尊敬の念が、円滑な承継の鍵となります」
熱意と誠実さが伝わる寺田社長の言葉は、会場の多くの経営者の胸を打ちました。

ヤマトカンキョウ(株) 代表取締役 牧瀬氏、
寺田社長
SAGA DXリーダーズカンファレンス2025
https://saga-dx-leaders-conference.studio.site/
結びに
今回のカンファレンスを通じて、寺田社長の事業や従業員に対する真摯な想いに改めて触れることができました。
その情熱が注がれた製品こそが、当法人がふるさと納税の返礼品としても連携させていただいている佐賀海苔ブランド「佐賀海苔 一流浜(Ichiryuhama)」です。
「一流浜」は、佐賀海苔の品質をさらに高め、その価値を世界に届けるために立ち上げられたこだわりのブランド。寺田社長が率いる有限会社玉喜様が丹精込めて作り上げた逸品を、ぜひ皆様の食卓でもお楽しみいただければ幸いです。
佐賀県CSO推進機構は、今後も県内CSOや企業の皆様の活動をオンライン技術でサポートし、佐賀の魅力を県内外に発信してまいります。
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