2025年11月21日(金)、佐賀市市民活動プラザにて「第7回 佐賀市市民活動プラザ外部評価委員会」を開催いたしました。
本委員会は、佐賀市市民活動プラザの管理運営業務について、外部有識者の皆様から客観的な評価・助言をいただき、サービスの向上や運営の透明性を図ることを目的としています。
今回は、令和7年度上半期の事業を中心に、指定管理者たる佐賀県CSO推進機構からの業務進捗報告および委員の皆様との協議を行いました。
開催概要
- 日時:2025年11月21日(金)15:00~17:14
- 場所:佐賀市市民活動プラザ 7階 703・704会議室
委員一覧
- 今村 晃章 氏(委員長):NPO法人とねりこ/理事
- 井本 浩之 氏(副委員長):西九州大学 デジタル社会共創学環/学環長・教授
- 田口 香津子 氏:佐賀県立男女共同参画センター・生涯学習センター「アバンセ」/館長
- 張 友樹 氏:久留米市市民活動サポートセンター「みんくる」/コーディネーター
- 宮副 直記 氏:株式会社佐賀広告センター/常務取締役


会議内容
1.開会
司会による開会宣言および資料確認の後、プラザ長の秋山より開会の挨拶を行いました。
秋山は、去る9月28日に同法人の代表理事に就任したことを報告。「現場の責任者としてだけでなく、法人代表としての責任感を持って、佐賀市の市民活動支援により一層邁進する」との決意を述べました。
また、本委員会では単なる報告にとどまらず、事業の進め方や施設利用の促進について建設的な議論を行いたい旨を伝えました。
2.議事
(1)前回外部評価委員会を受けての動き

当法人の岡野より、前回の委員会(令和7年6月開催)およびそれ以前の委員会で出された指摘事項への対応状況について、資料に基づき報告しました。
ホームページへの情報掲載
指摘を受け、佐賀市市民活動プラザHPの「市民活動プラザとは」ページに「プラザの概要」「プラザ長挨拶」「ビジョン・ミッション」を記載しました。
企業連携の方針転換
「企業は社会貢献に関心があるが市民活動への理解が不十分ではないか」という指摘に対し、当初予定していた「CSRセミナー」の開催を見直しました。事前のスクリーニング調査の結果、企業の理解度は予想以上に進んでいることが判明したため、セミナー形式は白紙とし、より実効性のある「個別ヒアリング(現在38社対象)」へ切り替えたことを報告しました。
施設環境の改善
チラシ配架用のラック導入やパーティションの変更については、予算の都合上断念しましたが、菓子ブース(リフレッシュコーナー)のタイルカーペット色変更による視認性向上については引き続き市と協議・検討中です。
その他
成果指標の見直し、記者クラブへの投げ込み強化、施設外での相談対応、AI講座の開催等について、それぞれ進捗状況や今後の計画を説明しました。


(2)上半期事業報告の概要説明
続いて、秋山より、令和7年度上半期事業報告について説明を行いました。
特に「指定管理者の振り返り」として、以下の成果と課題を報告しました。
利用者数について
上半期の利用者数は28,318人で、前年同期比110.8%と大きく増加しました。特に会議室利用者は前年比116.6%とV字回復を見せています。これは昨年度のフロアリニューアルや、本年4月の会議室名称変更(分かりやすさの向上)の効果が現れたものと分析しています。一方で、少人数・短時間利用が多く、稼働率は維持しているものの利用料収入は微減傾向にあること、LANケーブル貸出案内徹底などハード面の改善による窓口対応の増加についても報告しました。
相談支援事業について
相談件数は137件(前年同期比217.7%)と倍増しました。約6割が来館相談であり、気軽に立ち寄れる拠点として浸透しています。内容としては「広報支援」や「ICT活用」の相談が突出しており、団体の成長フェーズに合わせた専門的支援が求められている現状を報告しました。
情報収集・提供事業について
SNS(Instagram)のフォロワーが半年で100名以上増加するなど発信力は強化されています。一方で、「市民活動団体ガイドブック」の発行が当初計画より遅延し10月となった点、および掲載内容の誤りが発生した点について、チェック体制の不備を課題として挙げ、次年度に向けた改善策を提示しました。
調査研究・企業連携について
従来のBtoC企業(小売・インフラ等)ではなく、市民と接点の少ない「BtoB企業(機械金属関連の中小製造業)」にターゲットを絞り、デプスインタビュー(深層面接)を実施しています。その結果、「紛争鉱物問題」など製造業特有のサプライチェーン課題と、国際協力NPOの活動がリンクする可能性が見出されたことなど、具体的な「協働の種」が見つかり始めていることを報告しました。
機運醸成(プラザフェスタ)
8月30日に商業施設「ゆめタウン佐賀」で開催された「市民活動プラザフェスタ」(佐賀市主催)において、チラシコンテストを実施し400票以上の投票を得るなど、新規層へのアプローチに手応えを感じたことを報告しました。


(3)協議
報告を受け、委員長および各委員より活発な意見・質疑が行われました。
施設利用と収益構造について

委員より「利用者は増えているが、収益が比例していないことをネガティブに捉える必要はないのではないか。指定管理料が固定の中で人件費高騰や物価高に対応し、優秀な人材を確保するためには、市からの委託料増額等の支援が必要ではないか」との意見が出されました。
これに対し、指定管理者からは「指定管理料は固定のため、人件費や経費の増加分を賄うには、独自の収益事業(コピー代行や横断幕作成など)による付加価値の創出で収益を上げる必要がある」との考えを述べました。
また、委員からは利用者促進のため、佐賀市内で展開されている電動シェアサイクル「チャリチャリ」のポートを市民活動プラザ周辺に設置するなどの具体的な提案もありました。
佐賀市からは「まずは利用者増を目指し、市民活動の裾野を広げることが重要であり、その結果として収益や適正な指定管理料の積算につながると考えている」との見解が示されました。


ガイドブックの遅延とミスについて
発行遅延と掲載ミスについて原因究明を求める声があり、当法人より、団体側における「ICT活用団体と紙媒体団体の混在による作業の複雑化」や「担当者変更に伴う引き継ぎの課題」、「担当者間の連携不足」などを複合的な原因として説明しました。
委員からは、同様の過ちを繰り返さないための「工程管理の徹底(マニュアル化)」や「市との進捗共有の強化」、さらに外部の団体を「協働パートナー」として活用し団体の活動資金に繋げる工夫、「AI技術を活用した校正作業の効率化」について具体的なアドバイスをいただきました。


企業連携・調査研究について
「なぜその企業をターゲットにするのか」「調査結果をどう市民活動につなげるのか、出口戦略が見えにくい」という点について深く掘り下げた議論が行われました。
当法人より、BtoB企業を対象とした理由や、単なるイベント開催数ではなく、水面下での信頼関係構築のフェーズであること、具体的な社会課題でのマッチングを目指していることを説明しました。
委員からは「調査結果をどう活用し、具体的な協働事例をどうつくるか」「企業と市民活動団体の接点をどうつくるか」について建設的な意見をいただきました。


AI活用について
業務効率化だけでなく、市民活動団体への啓蒙も含めてAI活用を進めるべきとの意見に対し、プラザ内部で「NotebookLM」や「Gemini」といったAIツールの活用を進めている現状を報告しました。
委員からは、情報管理と労力軽減の観点から、外部事業者との有料契約(年間数十万円程度)による生成AIの導入とセキュリティ対策を推奨するアドバイスがあり、そのメリットは費用を上回るとの見解が示されました。
当法人は、今後、内部で得た知見をセミナー等を通じて団体へ還元していく方針を確認しました。


3. 閉会
閉会にあたり、佐賀市協働推進課 前田係長より閉会挨拶がありました。

挨拶の中では、施設利用者数の増加や、商業施設で開催した「プラザフェスタ」による新規層へのリーチなど、上半期の事業がプラザの認知拡大に着実につながっている現状について触れられました。
その一方で、ガイドブック作成や企業調査の進め方においては、市と指定管理者間の連携や合意形成のプロセスに改善の余地があるとの指摘がなされました。
結びに、今後は指定管理者としてのマネジメント力を発揮し、計画的かつ確実に業務を遂行することへの期待が述べられました。
今後の展望
当法人としましては、今回の委員会でいただいた忌憚のないご意見と叱咤激励を真摯に受け止め、下半期の運営においては、業務プロセスの見直しを図り、目に見える成果の創出に全力を尽くしてまいります。


お問い合わせ先
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佐賀市市民活動プラザは、多様な市民活動を支援し、その推進を図るための拠点施設です 。プラザは、地域や社会をより良くしたいと願う誰もが利用でき、会議室や活動に必要な設備を備え、市民活動に関する相談なども受け付けています。








