CSOの資金調達といえば、会費、助成金や補助金、事業収入、そして、寄付。
最近、注目を集めている「クラウドファンディング」も寄付の一種。インターネットを活用して資金を必要とする活動や事業を発信し、共感した人々から寄付を募るという手法です。
佐賀県には、寄付を募りたいCSO自身がお礼の品を準備し、寄付者自らが支援したいCSOを選ぶことができる ふるさと納税「NPO等の支援」があります。
その仕組みのなかには、事業や活動そのものに紐づけて寄付を募ることができる、ふるさと納税版のクラウドファンディング「ガバメントクラウドファンディング」もありますので、佐賀県内のCSOにはクラウドファンディングについてご存知の方が比較的多いのではないかと思います。
とはいえ、実際に始めるとしたら一体どこから手をつければいいのか。
ガバメントクラウドファンディングは見本となるCSOがいくつかありますが、実施する前に佐賀県ふるさと納税「NPO等の支援」の指定を受ける必要があります。
一方、事業や活動さえあれば資金調達に挑める民間のクラウドファンディングは、ハードルの高さも低さもわからないという方がいらっしゃるのではないでしょうか。
さがCSOポータルでは「募集しています」の分野で、佐賀県内のCSOのクラウドファンディング情報を掲載しています。
https://www.cso-portal.net/recommend/
今回は、READYFOR株式会社が運営する「READYFOR」で、6月1日(火)よりクラウドファンディングを開始した 一般社団法人ヘルスサポーターズイノベーション(hsi) 代表理事 寺野幸子さんにお話をうかがいました。
https://www.cso-portal.net/recommend/detail.html?id=671
妊娠~出産~育児期の母親と父親に寄り添うトータルサポートアプリ『CHILWEL(チルウェル)』
寺野さんは、産前産後の支援、お母さんが笑顔で子どもと向き合えるよう寄り添いサポートする地域密着型の活動を、NPO法人poco a boccoというCSOで続けてこられました。
それを佐賀から全国へと拡大し、医療や情報技術が発達した現代社会においても必要なサポートが受けられず苦しんでいる人たちの力となるべく立ち上げられたのが、hsiです。
住んでいる地域や家族構成、経済状況、どのような環境下にあっても利用できる仕組みづくりを最も大切に考えて進んできたと寺野さんは言います。
さまざまな格差によって利用できたりできなかったりというのが産前産後の支援であってはならない――そんな思いで寺野さんたちhsiのメンバーは、妊娠~出産~育児期の母親と父親に寄り添うトータルサポートアプリ『CHILWEL(チルウェル)』の開発に取り組まれています。
オンラインサロン、オンライン相談、子育てお役立ち情報、心の健康を声でセルフチェックという主に4つの機能で構成されたアプリは、OSやスマートフォンのキャリア等に左右されないダウンロード不要のWebアプリで、最低限のオンライン環境で誰でも利用できる優れもの。
また、一定の金額でサービスをすべて利用できる会員制です。
まずはグループ会員を対象に、オンライン相談の機能のみを実装したプレオープンが2021年6月28日(月)。
2021年8月1日(日)には、オンラインサロンと子育てお役立ち情報を実装し、個人の申込受付を開始。
そして、残りの機能を開発し、2021年12月末までには佐賀のみならず全国の子育て中のお母さんたちの心強い味方『CHILWEL』が完成を迎える予定とのことです。
「READYFOR」を選んだ訳
さて、そんな産前産後のお母さんの味方、Webアプリ『CHILWEL』の開発費のクラウドファンディングを「READYFOR」で行うことした決め手は「社会貢献や社会課題のプロジェクトに力を入れているからですね」と寺野さん。
『CHILWEL』の背景にあるのも、さまざまな格差によって子育てが困難になっているお母さんがいるという「社会課題」です。
また、クラウドファンディングは、インターネット上で広く呼び掛けることができるという性質から、資金調達に必要な情報発信も同時にすることになります。
資金調達そのものが情報発信にもなるというのは、他の寄付ツールとは異なるクラウドファンディングの強みです。
なので、大切なのは寄付による支援を考えている人のニーズに合わせること。
「社会課題」に係る事業や活動が多く集まるクラウドファンディングサイトには「社会課題解決」に寄与したい人々が集まります。
それによって寄付が集まり、さらなる事業や活動の周知にもつながります。
ところで、気になるクラウドファンディングの準備期間をうかがったところ、相談から開始まで何と1ヶ月弱!
READYFOR「まずはお気軽にご相談ください!」https://readyfor.jp/short_proposals/new
当然のことながら、事業自体はずっとあたためてこられたものです。
そのあたため期間があったからこその1ヶ月弱ですが、それにしても早い!
さぞや大変だったのではないかとお訊ねしたところ、クラウドファンディングのプロであるキュレーターのサポートを受け、ページの内容をていねいに確認しながら進めることができたとのこと。
また、キュレーターという第三者の協力を得ることで、事業を客観的な視点で見直すことができたと寺野さんは言います。
どんなにいい事業や活動をしていても、内容が周知できなければ、課題解決は叶いません。
「自分たちの事業について明文化でき、磨き上げることができたこと、まったく知らない人にも事業について伝える方法、工夫を学べたこと。たとえ目標金額を達成できなくても、取り組んだ意義はあった」と寺野さんは力強くおっしゃっていました。
hsiのクラウドファンディング「お家で専門家に聞ける安心を|家族の妊娠・育児に寄りそうアプリ開発へ」は7月16日(金)23:00締切です。
クラウドファンディングだけでなく、アプリの開発も同時進行で進めていかれます。
Webアプリ『CHILWEL』が気になっている方はもとより、クラウドファンディングに興味を持つCSOの方、ぜひ一度、一度と言わず二度三度、hsiのクラウドファンディングページに足を運んでみてください。
https://readyfor.jp/projects/chilwel
一般社団法人ヘルスサポーターズイノベーション
さがCSOポータル > CSOデータベース
https://www.cso-portal.net/cso/detail.html?id=1655
特定非営利活動法人poco a bocco
さがCSOポータル > CSOデータベース
https://www.cso-portal.net/cso/detail.html?id=1539