唐津市を拠点に、東松浦郡エリアまで含めたCSOを支援する団体、それが「特定非営利活動法人NetworkStationまつろ」です。
いわば中間支援組織としての役割を担っています。
「NPO法人を立ち上げたけれど、どう活動していけばいいか、まだよく分からない…」
と、不安を抱えながらも志を持って活動するCSOのみなさんには心強い存在だと思います。
CSOに寄り添う取り組みの一つとして、佐賀県CSO経営力向上講座を開催。昨年に引き続き、2021年度も佐賀県CSO経営力向上推進事業として佐賀県庁から受託し、全4回に分けて会計の基礎知識や実践まで、丁寧にレクチャーを行いました。
志あふれるCSOにも、実際に活動していくにあたり経営の視点を持つことや経営スキルが求められます。
そんな中、経営力の強化をはかるこのような講座は役立ちます。
また、唐津市内のCSOの事務局代行という立場で関わるなど、ピンポイントで支援力を発揮しているのも特徴的です。
人の魅力でキラリと輝く事業
今回、お話を伺ったのは事務局の榊原清美さん。これまでの長い間、同法人の経理を担当するほか、そのフットワークの軽さで人と人を結んだり、団体の手足となって活動したり、と事務以外にも活躍中です。
過去の活動実績として挙げられるのは、2016年より唐津市から委託を受けて実施していた移住支援事業「唐津Switch」。21年に事業譲渡という形で「NPO法人唐津Switch」が立ち上がったほど成長した取り組みでしたが、そもそも何をきっかけに始まったのでしょう？
「当初、行政の手の届かない課題に対して、会員内の会議で話し合っていました。そのうちの一つが移住者の支援事業で。理事の浦田潤一さんを中心に企画を具体化。唐津市に提案したところ、事業として実現したのです」
2020年度は年間100件もの相談を受けたほか、最長1ヶ月のお試し移住も9組に体験してもらうなど、課題解決の可能性を広げて行きました。
また、当時から現在もスタッフとして移住者のサポートなどを担当する三笠旬太さんは、青森出身だそうです。榊原さんが唐津市内の飲食店で偶然出会い、まつろに「スカウトした」のが始まりだとか。移住して来た人だからこそ、移住者の目線での話ができるというのは強みですし、相談者にとってもより親近感がわきそうです。
男女の区別なく、人の魅力を感じ取って、アプローチをする榊原さん。気さくな人柄と地元への愛情が垣間見えます。
マッチングは簡単にいくことばかりではないと思いますが、物事を動かすのは「人」だと改めて感じさせられました。
中間支援組織として地域の応援を
2010年春に開局した唐津地区のラジオ放送局「FMからつ」の立ち上げに携わったのも「特定非営利活動法人NetworkStationまつろ」のメンバーでした。「ネットワークステーション」の名前は、その活動をベースに付けられたものだとか。今でも地域密着型の放送局として続いていることは、榊原さんにとっても印象深いようです。
「別のコミュニティFMで、被災された方が、“ラジオがあったから頑張れた”と話されるのを聞いたんですよね。FMからつの立ち上げは唐津にとっては重要なことだったと思います。自分たちで放送局を作って、今もお手伝いができているのが私の『自己満足』です。当時のこの活動がきっかけで仲間もできて。初代理事長に声をかけてもらわなかったら、私は今ごろ何をしていたか？と考えます。人と人とのつながり、出会いは大切にしないといけないなというのは常日頃から考えるようになりました」と榊原さん。
唐津ではさまざまな方をつなげる気質のようなものが脈々と受け継がれているようですね
もう一つの情報発信の媒体として8年間発行し続けたフリーペーパー『からっちゅ』は、昨年12月で惜しまれつつ廃刊。その制作拠点だった唐津市民交流プラザでの委託事業が終了したという経緯もありました。
核となる事業をいくつも実現し、CSOのみならず、多くの交流を生み出した「NetworkStationまつろ」。これからは中間支援組織の立ち位置だからこそできる、CSO活動に関する相談など、唐津の各団体のお話を聞くことにも力を入れて行きたいと話されていました。
団体の運営に関してお困りごとがある方など、ぜひ問い合わせてみてはいかがでしょうか。
唐津市南城内の事務所は唐津神社の所有地にあり、元は曳山が収められていた建物だったそうです。
特定非営利活動法人NetworkStationまつろ
さがCSOポータル > CSOデータベース
https://www.cso-portal.net/cso/detail.html?id=171
