2020年8月8日(土)、佐賀市市民活動プラザでは、特定社会保険労務士の高取洋介さんを講師にお招きし、人材育成研修(こなす力)「NPOの労務管理~基礎からアフターコロナにおける働き方改革まで~」をリアルとオンラインで同時開催しました。合計で23名の方に参加いただいています。
NPOで働くということ――そう口にすると得も言われぬ心境になるという方が少なからずいらっしゃると思います。
おそらくは、「NPO」すなわち「Nonprofit Organization(非営利組織)」という単語のせいか、或いは資本主義的な価値観が、NPOの存在や目的について懐疑的な感情を抱かせるからかもしれません。
ただ、実際にNPOで働いてみて思うのは、「この事業に伴う実務は、営利企業のそれと何が異なるのか」ということです。
その上で、今回、研修に参加して強く感じたのは、「労務は営利も非営利もなく、『雇う側』と『雇われる側』という二者の存在により成立している」ということでした。
事業の目的が営利か非営利かという差異があるだけで、目的達成の過程における実務には、両者さして差はありません。
(強いていうならば、カネというのはとにかく動きが早いので、営利組織は否応なしにそのスピードに揉まれるというのはあるかもしれませんが、かといって非営利組織だったら揉まれないかというと、そういうわけでもありません)
そう考えると、目的が非営利であっても、その過程での実務に対価を払うのは致し方ない――雇われている方からしたら「うん、払ってよ」になるのはごく自然なことだと思います。
もちろん、『雇う側』と『雇われる側』も、(現在のところ双方)同じ人間ですから、働く現場では感情が挟まったり、もつれたりということもあるでしょう。
ただ、「働く」という行為を定義して守る仕組みは歴然としてそこにあって、営利も非営利も、そして、人格も関係ないのだということを、2時間半、きっちりと学びました。
高取さん、ありがとうございました。
――で、「働く」ということに関する非営利組織における最大の課題は、やはり、どう効率よく、かつ持続可能性を目指してお給金の原資を稼ぐか、ですかね…。