「来る6月18日(金)、今年度第1回目の佐賀県中間支援組織情報交換会を開催します。
今回の会場は佐賀市内ですが、次回以降、他の中間支援組織の拠点でもできたらと思っています――」
5月某日。武雄市役所2階、木目の美しい一枚板のテーブルのある談話コーナーにて私たちがそう切り出すと、「いいですね」と『武雄市市民協働コーディネーターの永松さん』は笑顔で頷かれました。
「昔はみんな、現地で集まっていたのですよ。土地柄とか地域性とかあって、それぞれ異なっていて、いろいろな発見があって…」
佐賀県内において「協働」や「中間支援」という言葉が芽吹き出す頃に中間支援活動を開始され、そして、今は、ひょっとすると県内の中間支援組織のみならず、すべての市民社会組織の最先端を行っている方かもしれません。
それが『武雄市市民協働コーディネーターの永松さん』にして『TENつなぎの中村さん』です。
肩書は関係ない。
TENつなぎの中村さんは数年前にご結婚をされて永松さんとなり、今、子育ての真っ最中。
そんななか、武雄市の委託を受けて市民協働コーディネーターとして週2回勤務され、もちろん、TENつなぎとしても支援の現場に立っていらっしゃいます。
「コーディネーターは週2回、火・木といっても、他の曜日に対応することもあります」と中村さん。
「今は相談も支援も無償のボランティアではなく仕事です。仕事とすることで責任感が生まれ、精神的な安心感も得られます」
中村さんはこざっぱりとした笑みを浮かべ「それに…」と続けました。
「相談に来られた方からすれば肩書は関係ないでしょう」
協働コーディネーターという行政の立場でも、TENつなぎという民間の立場でも、相談を受け、支援をするということに変わりはありません。
そして、一週間を丸々相談や支援に費やすことはなく、子育てはもとより、オンラインでヨガの授業を受けたり、月2回程度ヨガの指導者としても活動したり、家業の手伝いをしたりしていると中村さんは言います。
ライフバランスを考えて、できることを無理なく、家庭を犠牲にしない――中村さんが中間支援の現場で実践する働き方改革です。
組織の限界、中間支援「人」の可能性。
中間支援に限らず市民活動というのはとかくワーカホリックになりがちです。
それをコントロールしようとすると「組織では難しい」と中村さん。
「『組織』として活動するのが難しい場合でも、個人で支援ができるのであれば、それでいいと思うのです」
実際に中村さんは今現在、中間支援「組織」ではなく、いわば中間支援「人」として、高校生のまちづくり参画や、地域で活動するCSOの支援をされています。
「県内でも、もっとそういう人たちが増えていけばいいと思っています」
中間支援「人」――それは新しい中間支援のかたちなのだと、生き生きとした中村さんの姿を拝見し、確信した次第です。
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