佐賀県CSO推進機構は、佐賀県CSO・企業提案型協働創出事業の推進を支援しています。令和6年度には、認定NPO法人サービスグラントから佐賀県県民協働課へ提案された「県内CSOにおける活動基盤強化に向けたプロボノを活用した協働事業」が事業協力として採択され、当法人も中間支援組織として連携しています。
この一環で生まれたのが、プロボノの普及啓発チーム「さがボノ」です。2025年8月20日(水)、「さがボノ」が主催するイベント「ソーシャルウェンズデイ」が佐賀市市民活動プラザのフロアを会場に開催され、副代表理事の秋山が参加しました。
参加者
- 横道 亨さん(さがボノ代表・認定NPO法人サービスグラント 九州特任)
- 松尾 直幸さん(ノルディックウォーキングSALC 代表)
- 眞柴 啓輔さん(株式会社佐賀バルーナーズ Home Town・DAO Chief)
- 秋山 翔太郎(特定非営利活動法人佐賀県CSO推進機構 副代表理事)
プロボノとは
「プロボノ」 とは、ラテン語の「Pro Bono Publico(公共善のために)」が語源であり、仕事で培ったスキルや経験を活かして社会に貢献する活動を指します。NPOの多くは、限られたリソースの中で活動しているため、プロボノのような専門スキルを活かした支援が強く求められています。プロボノの「プロ」は「プロフェッショナル」を意味するのではなく、誰もが普段の仕事で当たり前に行っていることが、社会貢献のスキルとして活かせるという考えに基づいています。この活動は、社会貢献だけでなく、個人の成長や新たなネットワークの構築にもつながる「利他・利己」の活動です。
さがボノとは
「さがボノ」 は、「佐賀」と「プロボノ」を組み合わせた造語。一人ひとりの「好きなこと・得意なこと」を集めて融合させ、佐賀の地域貢献へとその活動の輪を広げていくことを目的としています。当法人は、この「さがボノ」の活動を通じて、個人・企業・行政など、あらゆるセクターが立場を超えて協働する社会の実現を目指しています。
ソーシャルウェンズデイの取り組みと情報発信
「ソーシャルウェンズデイ」は、毎月第4水曜日に定例会とミニイベントを兼ねて企画しており、「早めに仕事を終えて、誰かのために時間を使ってみませんか?」という趣旨のもと、社会貢献への関心を高める機会を提供しています。
本会では、この取り組みの継続と広報活動の強化について議論が交わされました。現状、Facebookページを立ち上げており、「さがCSOポータル」(当法人が佐賀県から運営を受託)内のCSOデータベースに登録が完了しました。今後はデザインツールCanvaを活用し、広報物作成を進めます。特に、さがCSOポータルは、イベント情報やボランティア情報の掲載に活用されており、これら情報に加えて「支援します」情報も掲載可能です。このプラットフォームを通じて、地域活動に関心を持つ人々への情報発信を強化していく方針です。
Facebookページでの情報発信では、今後はさがボノのアカウントからの情報発信を強化し、運営メンバーがより簡単に投稿できるようにします。また、イベント告知だけでなく、「GRANT」(新たな参加者と、NPOや地域団体等をつなぐ社会参加プラットフォーム|運営:認定NPO法人サービスグラント)におけるさがボノの活動進捗(例:新規プロジェクト公開、完了プロジェクト)をFacebookページに連動させて発信することで、活動の「動き」を見せていくことが重要であると確認されました。
これは、さがボノの実態がGRANTのページにあるため、そこでの動きを外部に効果的に伝えるためです。現時点では投稿の頻度は定めていませんが、イベントの前後や定例会の内容などを積極的に発信していく方針です。


各プロジェクトの進捗と連携の可能性
ノルディックウォーキングSALCプロジェクト
ノルディックウォーキングSALCの「GRANT」を活用した広報強化プロジェクトは順調に進捗し、完了ました。プロジェクトはステップバイステップでプロジェクトが立ち上げられ、ディレクションプロジェクトでできたチラシの叩き台をもとに、デザイナーにデザインを依頼し、このほどデザインが納品されました。このプロジェクトの経緯や詳細は、GRANTのプロジェクトページに掲載されています。

中間支援組織との連携
県内中間支援組織との連携を模索しており、その先駆けとして鳥栖市、神埼市への訪問を行いました。さらに翌21日には小城市市市民活動センター「おぎぽーと」へ訪問を予定しています。
また、認定NPO法人サービスグラントは、「社会参加オープナー」 の養成プログラムを通じて、社会課題の現場と新たな担い手をつなぐスペシャリストを育成しています。この役割は、プロボノ経験を持つビジネスパーソン、中間支援組織や行政機関の職員などが担うことができ、社会全体の協働を促進することを目指しています。9月11日には、この「社会参加オープナー交流会」がZoomで開催される予定です。
プロボノリーグ
長期的な展望としては、次年度の秋(9~10月頃)に佐賀での「プロボノリーグ」(複数社の社員で構成された異業種チームがNPOの運営課題に挑む越境学習プログラム)の初開催を目指しており、企業と地域が連携して社会課題解決に取り組む機会を創出します。
参加者による話題提供
「風の谷」構想のような、過疎地域を都市に対する新たな価値を持つ「疎空間」としてデザインする「300年構想」も議論の対象となりました。これは、ワーケーションや地域固有の魅力を通じて、関係人口を創出し、経済的・文化的な価値を生み出すことを目指すものです。
さらに、組織やコミュニティのあり方に関する深い議論も交わされ、「アンチ共同体」の概念や、個人が「所属」に縛られず、自由に社会と関わりを持てる「リキッドコミュニティ」の重要性が強調されました。これは、固定されたコミュニティではなく、銭湯のように誰もが「そこにいて許される」居場所の創造や、ウェルビーイング(幸福な状態)だけでなく、ウェルドゥーイング(何をしているか)に焦点を当てることの重要性を示唆しています。


今後の展望と佐賀県CSO推進機構の役割
本会で秋山は、会議記録や情報共有の効率化ツールとしてGoogle NotebookLMを活用していることを共有しました。このツールは、音声データの文字起こしやチャット機能などを持ち、業務効率化に貢献しています。
これらの活発な議論や具体的なプロジェクトの進捗は、当法人が目指す、多様なセクター間の連携を促進し、県内CSOの活動基盤を強化するという目標に直結するものです。
佐賀県CSO推進機構は、今後も「さがボノ」および「ソーシャルウェンズデイ」の活動を支援し、佐賀の地域特性を活かしながら新たな社会貢献の形を模索することで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。そして、佐賀の社会課題解決に向けた新たな協働の形を、県民の皆様と共に創り上げてまいります。
お問い合わせ

さがボノ
(事務局:交流スペース 彩り)
- 〒849-3131 佐賀県唐津市厳木町厳木1018
- TEL:080-3216-1269
- E-mail:sagabono@gmail.com
- WEB:https://grant.community/sagabono
- Facebook:https://www.facebook.com/Saga.ProBono/