佐賀県CSO推進機構が次の一歩をお手伝い。
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令和3年度 第1回佐賀県中間支援組織情報交換会 ~「課外講座」まで終えて

佐賀県CSO推進機構では、6月18日(金)に今年度第1回目となる佐賀県中間支援組織情報交換会を、7月2日(金)に県東部及び久留米の市民活動センター訪問(ツアー)を実施しました。

6/18中間支援組織情報交換会

佐賀県中間支援組織情報交換会は、佐賀県の「ボランティア・CSO活動支援情報提供業務」の一環として昨年度より実施しており、今回で通算3回目の開催となりました。

なお、ここでいう中間支援組織は、佐賀県県民協働課の「CSO提案型協働創出事業」において中間支援組織として協働するCSOを指します。
よって、CSO主導で情報交換会を公に実施するのはほぼ初めてという状態だった昨年度の全2回、筆者は招集の号令をかけるのにふさわしいテーマ、内容になっているかということに囚われ、他の中間支援組織の方々の顔色をうかがうばかりになっていた嫌いがありました。

そんな臆病の結果、図らずも見えてきた、県内それぞれの中間支援組織の「独自性」と「隔絶」。
即ち、個人としてはつながりがあり、お互いの組織の概要について把握はしていても、それぞれの組織の「独自性」はガラパゴス化しており、時々情報交換を重ねた程度ではこの先到底崩れそうもない厚い壁があるという現状。

もちろん、同じ県内でも地域性があること、それぞれの手持ちの社会資源にばらつきと偏りがあることは理解しています。地域内で循環できれば差し当たって問題はないということも。
しかしながら、緊急時、地域全体で支援の手を求めざるを得ない状況に陥り、広域での連携が迫られる場合があるということは、昨今、同時多発的に発生する災害を通じてご存じの通りかと思います。そして、平時にも、つながりを生かし、社会資源のばらつきと偏りを均すことでできるよりよい支援もあります。
また、それほど離れていない場所に、自組織にはない社会資源を持った組織があるのならば協力できる体制を整えておくに越したことはありません。

せっかくの機会です。
昨年度は「相談支援に携わる主体の学びに資する」という内容に留まっていた情報交換会を、今年度はぜひとも中間支援に携わる主体同士が学び合い、連携するきっかけとなる場にしたい。そんな想いから、今年度第1回目のテーマは、中間支援を担う以上は避けて通れない「相談支援」に設定。
そして、現状に必要なのは「共感できるサイズ感の具体的事例」だという判断から、京都府南丹市にて少人数で中間支援を実施されている特定非営利活動法人テダスの理事長 高橋博樹さんを講師としてお招きすることに決めました。

高橋さんの講座では、スタッフの段階に合わせた事例と解説、そして、架空ながら具体的な相談案件の対応についてのワークの時間を設けていただきました。
その後、講座を踏まえた情報交換をグループ毎に自由に行うことにより、個々の「学び」もありながら、自組織の支援体制の段階や、他の組織のリアルな支援の現場を知ることができる内容になっていたと考えます。

7/2市民活動センター訪問

また、今回「ボランティア・CSO活動支援情報提供業務」では初となる市民活動センター訪問を実施しました。

新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言の延長により情報交換会から2週間後の7月2日となりましたが、「課外講座」という位置付けで、情報交換会ではオンラインでご登壇いただいた高橋さんに来佐いただき、高橋さんを案内するかたちで、とす市民活動センター「クローバー」久留米市市民活動サポートセンター「みんくる」CSOかんざき 神幸館を見学しました。

民設民営で、一部市と連携して運営を行うその隣には、同じCSOが民間企業の委託を受けて運営管理するまちづくり支援センターが開設されており、結果として全国的にも類を見ない市民活動センターとなっている「クローバー」。

「クローバー」から30分圏内ながら隣の福岡県にあり、また、指定管理団体の構成も独特で、佐賀県内のどのセンターとも雰囲気が異なる「みんくる」。

地域や地縁団体との結びつきが強固で、行政とのかかわりも強く、見学当日の別の時間帯には地元の高校による見学の受け入れもしていた神幸館。

がちがちに準備して待ち構えるのではない状態で見学でき、肩肘張らない自由に意見が交わせたらという考えから、受入れ先にご迷惑をおかけしましたが、個々のつながりから組織としてのつながりをつくる情報交換会の「課外講座」としては機能していたのではないかと感じています。

近隣の中間支援組織の社会資源の共有によるよりよい支援にはまだしばらくかかるものと考えますが、一定感じた手ごたえを頼りに、次回9月、11月、そして、翌2月と続く情報交換会を通じて、実現に近づけるよう努める所存です。

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