2025年1月25日(土)開催「2025CSO新春交流会」の第一部防災講演の後、佐賀県CSO推進機構の鈴木宣雄副代表理事が防災意識を高めるための「クロスロードゲーム」と防災食について参加者に紹介しました。以下はその内容を整理したものです。
第一部 防災講演後
防災意識を高める「クロスロードゲーム」と防災食の紹介
阪神淡路大震災での経験
冒頭、鈴木副代表理事から阪神・淡路大震災から30年について触れられ、参加者全員でこれまでの被災者への黙とうを捧げました。
鈴木副代表理事は、阪神・淡路大震災の発災時、大阪の湾岸沿いの高層ビルで働いていました。神戸方面を眺めると、多数の煙が立ち上っており、その惨状に心を痛めたそうです。当時の同僚の中には、神戸方面にも多くおり、支援物資を運ぶといった支援をされていました。


クロスロードゲームの紹介
クロスロードゲームとは、阪神・淡路大震災の教訓から生まれた防災教育ツールです。内閣府の防災情報ページでも紹介されています。
災害時に誰もが直面する可能性のある判断の難しい状況について、参加者が自分ならどうするかを考え、多様な価値観や考え方を共有することができます。鈴木副代表理事は、「様々な価値観や考え方を共有し、災害時の意思決定の難しさを学ぶ」ことを目的に、参加者と共にゲームを実施しました。
ゲームの流れ
- シナリオ提示:災害時に起こりうる具体的な状況が提示されます。
- 選択肢の選択:参加者は、提示された選択肢(「イエス」か「ノー」)から一つを選びます。
- グループでの議論:選択した理由をグループ内で話し合い、意見を交換します。
今回の参加者には「イエス」と「ノー」が両面印刷された封筒が配られており、ゲームの一例として、「避難所での非常食をどう配るか」というシナリオが提示されました。


具体的な設問例
- シナリオ:あなたは避難所の食料担当者で、3000人の避難者に対して2000食分の非常食を管理しています。次の支援物資の到着時期は未定です。非常食を配布しますか?
- 選択肢:
- イエス:配布する
- ノー:配布しない
- を選択し、その理由をグループで共有しました。
このような具体的なシナリオを通じて、災害時の意思決定の難しさを実感する機会となりました。


防災食の紹介
参加者全員にアルファ化米が配布されました。アルファ化米の袋にはスプーンと乾燥剤が入っており、それらを取り除いてはお湯で30分、水なら1時間で食べられる状態になります。災害時の備えとして適しています。緊急時に備え、事前に非常食を試しておくことも重要です。
トイレの重要性
鈴木副代表理事は、「食料の備蓄も重要ですが、それ以上にトイレの問題が災害時には重要になってきます。各家庭での備えと実践的な訓練が大切です」と強調しました。特に家族で使用するポータブルトイレの必要性や、コロナ禍での経験を踏まえて場所を分けるなど隔離使用を検討しておくことが重要とのことです。水洗トイレが使えない場合の対応として、便器へのカバー設置や専用の薬剤を使用するなどの具体的な対策方法を説明しました。
まとめ
鈴木副代表理事は、「防災は日常の積み重ねです。一人ひとりが備えと意識を高めることが大切」と締めくくりました。
話者:鈴木 宣雄
(すずき のぶお)
- 特定非営利活動法人佐賀県CSO推進機構/副代表理事
- 一般社団法人佐賀災害支援プラットフォーム(SPF)/共同代表
- 佐賀県防災士会/防災士

結びに
クロスロードゲームや防災食の紹介を通じて、災害時に直面する課題を具体的にイメージでき、前半の防災講演「災害への備えを考える~今、私たちにできること、必要なこと~」と相まって備えることの重要性を再確認する機会となりました。
災害支援に関するイベント情報
鈴木副代表理事は、今後開催される関連イベントについても紹介しました。詳細は佐賀県CSO推進機構または佐賀市市民活動プラザ事業部までお問い合わせください。
佐賀市地域づくり交流会
「出会い、知りたい、語りたい ともに描く地域の明日 ~「私」から始まる未来へのリレー~」
- 日時:2025年2月1日(土)09:30~12:00
- 会場:メートプラザ佐賀(佐賀勤労者福祉センター)
- 内容:まちづくり協議会、市民活動団体、企業、大学など地域づくりに関わる多様な団体が、お互いの情報を交換し、交流することで、自らの役割や連携のあり方について認識を深めるとともに、今後の事業の広がりや協働の可能性を見出し、実践につなげるイベントです。
- 補足:鈴木副代表が所属する佐賀県防災士会が防災食展示や関連情報を提供します。
- 詳細URL:https://www.city.saga.lg.jp/main/104026.html
佐賀市市民活動プラザ
つながる交流会「つながるチカラで、佐賀をもっと安全に~南海トラフ大地震が迫る今、私たちにできること~」
- 日時:2025年2月22日(土)13:30~16:30
- 会場:佐賀市市民活動プラザ 4階 会議室4-A+G/オンラインZoom
- 事例発表者
- 溝上 良雄 さん(佐賀県防災士会/代表)
- 根木 佳織 さん(公益社団法人 Civic Force/代表理事)
- 江口 康成 さん(一般社団法人 日本カーシェアリング協会 九州支部)
- 茶話会司会
- 鈴木 宣雄 さん(一般社団法人 佐賀災害支援プラットフォーム/共同代表)
- 詳細URL:https://www.tsunasaga.jp/plaza/news/plaza-news/034908.html